和名『眼球日誌』。国際補助語エスペラント、文学、芸術、人類、政治、社会などについて
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エレンディラ
評価:
ガブリエル ガルシア・マルケス,G. ガルシア・マルケス
筑摩書房
¥ 567
(1988-12)
 ガルシア・マルケスの短編集『エレンディラ』の中では「大きな翼のある、ひどく年取った男」が好きなんだけれど、とある好奇心から表題作ともいえる「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を読んだ。
 物語は私生児エレンディラ、「やっと十四になったばかり、まだ骨が固まらず、生気がな」い少女と祖母とが暮らしているところから始まる。とある強い風の吹く日、エレンディラは燭台をカーテンの方に蹴り倒してしまったために家を全焼させ、祖母に百万ペソの損害を出してしまう。それ以後、食料品店の店主を皮切りに、エレンディラは春をひさぎながら旅をして、祖母の損害を返済する破目になる。「くたくただわ。骨にガラスの粉が入ったみたい」「わたし死んじゃう」「下っ腹を棒ではたかれたみたいな、そんな気分なのよ」そんな売春旅行の途中でエレンディラはオランダ人農場主の息子ウリセスと出会い、ウリセスは祖母を殺害してしまう、という話。
 なぜこれを読んだかと言うと、同じガリシア・マルケスの『百年の孤独』の中で同じような話が書かれているからだ。それはアウレリャノ・ブエンディアが混血の娘の売春宿に入ったけれど何もしないで出てきた話。これはアウレリャノの孤独感を表現するための挿話だが、ここで混血の娘のエピソードが語られる。
彼女は蝋燭を消し忘れたまま眠ってしまった。目がさめたときには、すでにあたり一面火の海で、母がわりの祖母といっしょに住んでいた家は灰になった。その日から、祖母は焼けた家の金を取り戻すために、町から町へと彼女を連れ歩いて、二十センタボの線香代で春を売らせていた。引用:『百年の孤独』、2004年、新潮社、p.59。

 この混血の娘のエピソードはエレンディラの話と細かい点で異なっているけれど構造は酷似している。それから考えるとこの話は、単にガルシア・マルケスの作った話というよりは、実際の描写なのかもしれない、と思えてくる。瑞々しい現実。
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