和名『眼球日誌』。国際補助語エスペラント、文学、芸術、人類、政治、社会などについて
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ADHDとアスペルガー症候群
 『のび太・ジャイアン症候群』の著者司馬理英子さんが調子にのって出しちゃったシリーズ第四弾。今回はADHDと同じように普通の子と大して変わらないけれど変わらないが故に誤解の多いアスペルガー症候群についても扱っている。
 アスペルガー症候群の子どもは突然の環境の変化に弱いと言う。そういえば鯨が小学校低学年くらいのことだ。夏休みに熱海の別荘地にある祖父母鯨の家に遊びに行ったときに、たぶん来宮神社の夏祭りがあったんだと思う。鯨は青色と水色の法被を着せられて玄関の前に立たされた。よく事情が飲み込めていなかったけれど、どうやら白いワンボックスカーの上に同じ法被を着た子どもたちと一緒に載せられて、どこかに連行されるらしいと初めて気づいたのはその車が目の前にやってきた時だった。祖父母鯨及び父母鯨の証言によれば、鯨は泣き喚いて乗ることを拒絶したのだという。数年たって母鯨から「もっと小さい子も乗っていたのに恥ずかしかった」と言われたが、見知らぬ土地でいきなりよく知らない人の車の屋根の上に乗れ、と言われたら誰だって嫌がるはずだ。
 あと、アスペルガー症候群の子どもは会話が下手だという点でも思い当たる節がある。中学高校時代に鯨が普通に話をはじめたら、母鯨か父鯨かがいきなり怒り出して食器を投げつける、ということが日常茶飯事だった。あとあとよく話せば「なるほど、鯨はそういうことを言いたかったのか」と父母鯨も理解して落ち着く場面もあったけれど、たいてい打たれっ放しだったような気がする。その度に父母鯨からは「鯨の話し方が悪い」と怒られたけれど、鯨は「おまえらの聞き方が悪いんだろ」と難癖をつけていたものだ。大学のサークルでも先輩に親しみをこめて言った台詞が、あとで友人づてに聞くとその先輩を怒らせていたことを知り、驚くこともあった。たとえば「食べても食べても腹が減るんだよ」という先輩に、鯨が「なるほど、熱効率の悪そうな顔をしていますからね」と相槌を打った。その時は気づかなかったけれど、あとから友人づてにその先輩がその台詞で激怒していたことを知り、鯨は驚いた。それからサークルの帰りに先輩に奢ってもらうときに、鯨が自分の財布を見て「あれ、500円しかない!まっ奢ってもらうからいいや」とふざけて言った。そのときは場を和ませることに成功したと思っていたのだが、のちにサークルをやめた時に同じ友人づてに、その台詞がその場にいた先輩たちを激怒させていたことを知り、驚いた。まあ、生きていればよくあることだ。
 また、感覚が鋭敏ということでは注射のことを思い出す。小学2年生の時に注射が嫌で嫌で泣き喚き、学年全員の順番が終わって放課後になっても教室の隅に粘って注射を拒絶し続けた。そして夕陽の中で同級生の女の子と女の先生がなんとか宥めすかして鯨を保健室に連れて行き、注射をしたことがあった。そういえばその女の子は小学校の途中で転校しちゃったなぁ。今でも注射は恐いので、献血なんてとてもじゃないができやしない。体育の授業でも、今から思えば恥ずかしいくらい「痛い!」と言っていたような気がする。よく考えれば、今カバディをやっているときもそうだ。人とぶつかって「痛い!」と言っているのは鯨ぐらいだ。まぁ、そういうものだ。
 このようにこの本を読めばアスペルガー症候群というのは障害とは言うけれど、普通に存在し、普通に生活いる人間なんだなということが分かる。誰だって見知らぬ場所に連れて行かれるのは嫌だし、自分の意図した会話が相手に通じることもあまりないし、注射は痛いし、人とぶつかれば痛い。どれもみな、普通の子どもの普通の性質である。
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