和名『眼球日誌』。国際補助語エスペラント、文学、芸術、人類、政治、社会などについて
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薬指の標本
評価:
小川 洋子
新潮社
¥ 380
(1997-12)
 映画「薬指の標本」の原作。映画の世界そのままだった短編「薬指の標本」と、六角柱の不思議な語り小部屋を題材にした“非常村上”な短編「六角形の小部屋」とが収められている。しかし、映画のように映像で見せられるよりもはるかに濃密で独特な雰囲気をまとった映像をこの小説は持っている。逆説的だけれど、これは本当のことだ。
 両作品とも登場人物は流されるように動いている。人物の意志を感じない。みんな、運命というか宿命に近いものに振られるようにして生きている。しかし彼女たちは少しもうなだれることなく存在している。作品の無国籍な雰囲気が、あらすじの全てを抽象化してしまうけれど、彼女たちの心の動きだけは共感という形で現実のものに残っていくのだろう。
 彼が唇を離した時、薬指は濡れていた。そしてその先は、彼が食いちぎったかのように欠けていた。
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