和名『眼球日誌』。国際補助語エスペラント、文学、芸術、人類、政治、社会などについて
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ジェヴォーダンの獣
評価:
ヴァンサン・カッセル,モニカ・ベルッチ,サミュエル・ル・ビアン,ギャスパー・ウリエル,クリストフ・ガンズ,エミリー・ドゥケンヌ,ジェレミー・レニエ
日活
¥ 3,591
(2002-08-23)
 フランス映画。原題はLE PACTE DES LOUPS、「狼の契約」もしくは「狼の秘密結社」。1764年から67年にかけて南仏ロゼール県のジェヴォーダンに出現した謎の獣が女や子ども100人余りを殺害したという実際の事件を主題にした映画。ちなみにこの事件の謎はまだ解けていない。
 王室博物学者のフロンサックとアメリカ先住民の従者マニは国王ルイ15世の命を受けてジェヴォーダンの獣の調査のために現地に乗り込む。そこでフロンサックが目にしたのは、あまり獣退治に乗り気でない高級貴族たちや神父、アフリカ帰りの若い貴族ジョン=フランソワに彼の妹で美しい令嬢マリアンヌだった。やがてフロンサックはジェヴォーダンの獣の背後に、フランス啓蒙思想に反対するカトリック秘密結社の存在をかぎつける。
 博物学者フロンサックに理性・啓蒙・科学などの面を与え、それにアメリカ先住民マニの超自然的な力を加えることで、ジェヴォーダンという地域に色濃く残るキリスト教・慣習・伝統などと対比させている。貴族たちのマニへの差別意識もその対比構造の一端であり、物語後半の大事な要素となっている。これはフランス革命前の思想的対立や不穏な空気を理解するためにはなじみ易い設定だった。また、国家の中にあって国家権力から隔離された共同体の力と恐さを獣としてオカルト風味に具体化し、全体を良質のミステリーに仕上げているので観ていてワクワクさせられた。あと、前半は落ち着いた歴史ストーリーになっていたけれど、後半はSFかファンタジーか、それとも物語が変わったかと思うくらいに雰囲気の変わったアクション映画になっていて2時間超の長さでも飽きずに楽しめる良質な娯楽作品だった。
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